2014年1月にSundance
Film Festival(サンダンス映画祭)でプレミアされたこの作品を知って以来、ずっとLAで観ることのできる日を楽しみにしていた『Hellion(邦題:未定/日本公開日:未定)』。
LAプレミア初日の6月20日(金)8時〜ハリウッドのArena Cinemaで初回の放映を観てきた。
LA初回ということもあり、映画の後には、本作の脚本および監督を担当したKat
Candler(キャット・キャンドラー)やアカデミー賞候補女優のJuliette Lewis(ジュリエット・ルイス)などが登壇し、Q&Aセッションを行った。
“Hellion”を直訳すると、乱暴者、わんぱく者、いたずらっ子という意味を持つ。
主人公の男の子がそのHellion(ヘリオン)に該当する。
舞台はテキサスの田舎町。
妻を亡くし、生きる気力を失ってアル中として飲んだくれの生活を送るシングルファザーのホリスと、母を亡くした淋しさと、父から子育てを放棄された怒りとで、非行的な行動に走る13歳の少年ジェイコブ、そしてその弟ウェスの一家が暮らしている。
ジェイコブはモトクロスとヘビー・メタルに夢中でありながら、他の少年たちと一緒にいたずらや悪さばかりしている。ついには弟までも巻き込むようになり、ジェイコブの向う見ずな振る舞いは制御不能になっていく。
そして相変わらず父は好き勝手にお酒ばかりを飲み歩き、子供達に向き合おうとしない。
ある日、一家の状況が耳に入った児童福祉サービスから、このような家庭状況の中で幼いウェスを置いておくのは危険だと、余儀なくウェスを叔母の元で暮らさせるよう指令が出され、ウェスは父と兄の元から連れ去られてしまう。
これを機に、非行為ばかりを繰り返してきたジェイコブと、感情に欠ける父親のホリスはウェスを取り戻すために責任を持って行動することを決心する。
果たしてホリスとジェイコブは無事にウェスを取り戻すことができるのか?家族として3人が一緒に暮らせる日はもうすぐそこか?
ジェイコブを演じるのは、Leonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の再来と評されるJosh
Wiggins(ジョシュ・ウィギンズ)。他の映画を作っている知人から、その知人の映画で起用することになった子役が一緒にYouTubeなどのビデオを作っているジョシュという子がすごくいい!という触れ込みから、実際にジョシュ会ってみた時に、彼の起用をほぼ即決したそうだ。 本作品がジョシュにとってのスクリーンデビューである。
父親ホリスを演じるのは、全米で空前のヒットとなったTVドラマシリーズ『Breaking
Bad(邦題:ブレイキング・バッド)』などに出演したAaron Paul(アーロン・ポール)。またしてもダメ人間の役を演じる。
映画の始めの方のダラダラと間延びした感じは否めないが、緊迫感あり、スリル満載のエンディングが待っている。
ものすごくおすすめできる映画かと問われれば、少し戸惑ってしまうが、町自体が一つのキャラクターを持つような田舎町をロケーションに使っていることや、モトクロスというニッチなスポーツを取り入れたこと、ストーリーにマッチしているヘビー・メタルの音楽の活用、そして少年達のキャスティングが非常によかったと思う。
インディーズ映画が好きな方であれば、きっと楽しんで観ることのできる映画ではないだろうか。
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