Monday, May 27, 2013

The Great Gatsby (邦題:華麗なるギャツビー )


2013510日に全米公開になった話題の映画『The Great Gatsby(邦題:華麗なるギャツビー)』。http://thegreatgatsby.warnerbros.com/
カンヌ映画祭でオープニング作品として上映されたことでも分かるように、映画化が決まり、主演のレオナルド・ディカプリオをはじめとするキャスト選びが行われていた最中から注目を浴びてきたフィルムだ。




ご存知、アメリカのロングタイムセラー、F・スコット・フィッツジェラルドの1925年の小説『The Great Gatsby(グレート・ギャツビー)』を原作としている。アメリカで住んだ経験がある人なら必ず読んで魅了されたのではないだろうか。

これまでにも本小説はフィルム化されているが、今回以前にも増して注目を浴びた理由としては、代表作『Romeo + Juliet(邦題:ロミオ+ジュリエット)』と『Moulin Rouge(邦題:ムーランルージュ)』でお馴染みのバズ・ラーマンが監督・脚本を務めていること、出演がレオナルド・ディカプリオだということも大きな要素としてあるのは間違いない。

そして、この作品のヒロイン、デイジー・ブキャナン役として、スカーレット・ヨハンソン、キーラ・ナイトレー、アマンダ・サイフリッドなど数々の名立たる女優たちがオーディションを受ける中、比較的知名度の劣るキャリー・マリガンが大抜擢されたのも話題を呼んだ。

私個人としても、『Never Let Me Go (邦題:わたしを離さないで)』で彼女を最初に見た時から、すごく魅かれていたので、Deadline Hollywoodで彼女がデイジーに大抜擢されたと知った時はとても嬉しかった。私が一作品だけを見てすぐに魅了された女優は最近では、ジェニファー・ローレンスとキャリー・マリガンが断トツだ。(そして、レミゼラブルでエポニーヌ役を演じたサマンサ・バークスもこれに加わる。)監督のバズ・ラーマンが、電話でキャリーに突然「こんにちは、ミス・デイジー・ブキャナンさん」とヒロイン役への決定を報告したことも実ににくい演出として知られている。キャリーは泣き崩れて喜んだという。

デイジー役にはナタリーポートマンという説も流れたが、見終わって、キャリー以外がデイジーを演じているのが想像できないほど、ハマり役だった。彼女の魅力はとても一言じゃ語れないほどたくさんあるのだが、その中でも私が注目するのが、彼女の声だ。低めの声、高めの声、どちらも彼女の素の声なのだが、場面場面によってそれが違和感なく変わるのである。また、イギリス英語の彼女が、アメリカのニューイングランド訛りを上手く難なく話しているのも素晴らしい。Never Let Me Go (邦題:わたしを離さないで)』の時との(地味な)雰囲気は、今回の『The Great Gatsby (邦題:華麗なるギャツビー)』と同じ女優だとは思えないくらい違う。


さて、映画自体の感想としては、一言、素晴らしい!アカデミー賞ノミネーションを総ナメするのが想像に容易い。本のファンの期待を裏切らないフィルムになったのではないだろうか!




映画を見終わった時も、本でこの話を読み終わった時と同様に切なさ、悲しさが襲って来た。私は1974に映画化されているのは見ていないので、この映画を観た時、あぁ本で読んで頭に抱いたイメージと全てがぴったりだ!すごくうまく再現されている!と感動した。そしてキャラクター/登場人物には本以上に感情移入できたのは、やっぱり役者がみんな上手かったからだ。

レオナルド・ディカプリオの演技力は目を見張るものがある。直近の2作品、本作品と『Django Unchained(邦題:ジャンゴ繋がれざる者)』でいっても、同じ系統の役ながら、全く違った味と印象を出している。昔は好きではなかったが、最近彼の演技を繰り返し見たくてたまらない衝動に駆られる。

ハリウッドならではの起承転結もはっきりとあり、この映画ならではの豪華さと華麗さがあり、役者たちの高い高い演技力があり、独特の世界観があり、
キャスティングはもちろんのこと、演出、スクリプトライティングも非常に成功しているように思える。

まだ見ていない人もたくさんいると思うので、内容の詳細には触れないでおくが、ジェイ・ギャツビーの台詞で「Can’t repeat the past? Why of course you can!」という言葉がでてくるが、この台詞がこの物語のヒントだといっていい。

希望や願望を強く抱くこと、強く抱きすぎることは幸せなのか、はたまた不幸なのか。

あまりに強く理想を描きすぎると、理想と少し異なる思い通りにならないことを受け入れられなくなってしまうのか。




そしてこの映画を語るにあたって忘れてはならないのが、映画に使われている音楽。ものすごいエッセンスになっている。映画の最中に一度聴いただけで、この音楽はなに?と気になってしまい、帰ってすぐに調べると、これもまた話題になっているらしい。映画音楽はJay-Zが製作総指揮したことくらいしか前知識がなかったので、映画のシーンの中でこの曲が流れた瞬間、初めて耳にした歌にとても衝撃を受けた。


“Young and Beautiful(ヤング・アンド・ビューティフル)" は、アメリカのシンガーソングライターであるラナ・デル・レイがこの映画のために書いた楽曲だそうだ。歌詞はラナ・デル・レイと監督であるバズ・ラーマンが共同で作詞をしただけあり、映画にもしっくりくる。



この曲は間違いなく2014年度アカデミー賞でオリジナル歌曲賞にノミネートされることは必至だ。


とでも見応えのある映画『The Great Gatsby (邦題:華麗なるギャツビー)』、日本では、614日から公開予定だそうだ。



追記:バズ・ラーマンが、自身が監督する作品で2回以上主役を演じた役者は過去2人のみ。その2人とは、レオナルド・ディカプリオとニコール・キッドマン。キャリー・マリガンはこの2人に続くことができるだろうか。個人的にはバズ・ラーマンとキャリー・マリガンのタッグをもう一度見てみたいものだ。


2回目を観た時の記事はコチラ↓
http://taekofilms.blogspot.com/2013/06/the-great-gatsby-vol2-2.html


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