Tuesday, January 21, 2014

The Wolf of Wall Street (邦題:ウルフ・オブ・ウォールストリート)



絶賛上映中の『The Wolf of Wall Street(邦題:ウルフ・オブ・ウォールストリート)』。 アメリカでは昨年のクリスマスに公開されたが、今もなお、観客数があまり減っていない。

ここまでやるかというほどのクレイジーさ、笑い、お色気が盛り沢山に含まれている映画だ。テンポも良いので、3時間の映画であっても、それほど間延びしちゃっている感じはせず、最後の最後まで楽しめる作品である。

同じクレイジーでも、『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』に比べて、しっかりしたストーリーと、流れと、爆笑できる場面が多々ある点で、私はこちらの映画の方が圧倒的に上だと感じた。

アメリカン・ハッスルはきっとこの先語り継がれる映画できないし、賞レースが終れば忘れ去られる映画だろうが、ウルフ・オブ・ウォールストリートは何年か後であっても、確実に話題にチラホラ出てくる映画になると思う。


なんといっても一番の見所は、Leonardo DiCaprio/レオナルド・ディカプリオの体を張った演技。そして、映画を更に面白くさせる大きな後押しになっているのは、他でもないJonah Hill/ジョナ・ヒルの演技である。

どのようなキャラクターでも、ストーリーでも、抜群に演じることができるディカプリオは今や誰もが認めるハリウッドの実力派俳優だ。既にベテランだが、作品ごとに更なる幅を見せてくれ、進化しているからすごい。



そして役の中でもプライベートでもハリウッド中から愛されているジョナ。今やコメディに欠かせない存在になっている。ちなみに、そんなジョナはたったの600万円のギャラで本作に出演したことが話題になっている。どうしてもMartin Scorsese(マーティン・スコセッシ)監督の映画、それも、この映画に出演したかったというのが、その理由みたいだ。


更に脇を固めているのが、主役級の俳優Matthew McConaughey/マシュー・マコノヒーとJean Dujardin/ジャン・デュジャルダンという、なんとも豪華で贅沢なキャスト。


これだけでも観る価値がある。


一方で、知人の中には、この映画をボイコットしている人もいる。それは何故か。

この『The Wolf of Wall Street(邦題:ウルフ・オブ・ウォールストリート)』は実際に存在するJordan Belfort/ジョーダン・ベルフォートという人物を題材にしている。Belfort氏は、90年代にニューヨークのウォールストリートでストックブローカーとして詐欺などをはたらき、荒稼ぎした人物である。

実際に彼が詐欺で捕まった際には、当時のマスコミが彼をウルフ・オブ・ウォールストリートと呼んだ。

なので、理由としては、過去に中小企業や家族経営の零細企業からお金を騙しとり、更に今回の映画で彼を題材にするにあたり、お金が支払われて更にお金を儲けていることが許せないというものだ。

しかしシリアスでダークな彼の人生やこの詐欺事件をブラックなユーモアも交えながら面白可笑しく描いたスクリプトになっているので、実際に過去に起きた事件と切り離してさえ考えれば、非常に楽しむことができる。

The Golden Globe Awards 2014 (第71回ゴールデン・グローブ賞)では、 レオナルド・ディカプリオがコメディ部門の主演男優賞を受賞した。Oscar 2014(第86回アカデミー賞)では、栄えある作品賞と監督賞、その他にもディカプリオの主演男優賞候補、ジョナの助演男優賞候補、合計主要4部門にノミネートをされている。



主演男優賞も助演男優賞も本作と、本作にも出演しているマシュー・マコノヒー主演の『Dallas Buyers Club(邦題:ダラス・バイヤーズクラブ)』の俳優達との一騎打ちになりそうだ。これは目が離せない!



日本でも近日131日に公開になるウルフ・オブ・ウォールストリート、是非テンションをあげて観に行っていただきたい。間違っても子供などを一緒に連れて行かないように!

Japanese ver. trailer

Thursday, January 16, 2014

Oscar Nominees 2014(第86回アカデミー賞 ノミニー)


アメリカ時間の今朝、第86回アカデミー賞ノミネート作品が発表された。

American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』と『Gravity(邦題:ゼロ・グラビティ)』がそれぞれ最多の10部門にノミネートされた。もちろん、作品賞にも監督賞にもノミネートされている。続いて多くノミネートされたのは、『12 Years a Slave(邦題:それでも夜は明ける)』で9部門のノミネート。

86回アカデミー賞はアメリカ時間の32日にハリウッドのドルビーシアターにて開催され、そこでオスカーが発表される。

以下が主要部門のノミニーである。

BEST PICTURE(作品賞)

BEST DIRECTOR(監督賞)
  • Alfonso Cuarón/アルファンソ・キュラロン, Gravity
  •  Steve McQueen/スティーブ・マックイーン, 12 Years a Slave
  •  Alexander Payne/アレクサンダー・ペイン, Nebraska
  •  David O. Russell/デビット O. ラッセル, American Hustle
  •  Martin Scorsese/マーティン・スコセッシ, The Wolf of Wall Street 

BEST ACTOR(主演男優賞)
  • Christian Bale/クリスチャン・ベール, American Hustle
  • Bruce Dern/ブルース・ダーン, Nebraska
  • Leonardo DiCaprio/レオナルド・ディカプリオ, The Wolf of Wall Street
  • Chiwetel Ejiofor/キウェテル・イジョフォー, 12 Years a Slave
  • Matthew McConaughey/ マシュー・マコノヒー, Dallas Buyers Club


BEST ACTRESS(主演女優賞)
  • Amy Adams/エイミー・アダムズ, American Hustle
  • Cate Blanchett/ケイト・ブランシェット, Blue Jasmine(邦題:ブルージャスミン)
  • Sandra Bullock/サンドラ・ブロック, Gravity
  • Judi Dench/ジュディ・デンチ, Philomena
  •  Meryl Streep/メリル・ストリープ, August: Osage County(邦題:8月の家族たち)


BEST SUPPORTING ACTOR(助演男優賞)
  • Barkhad Abdi/バーカッド・アブディラマン, Captain Phillips
  • Bradley Cooper/ブラッドリー・クーパー, American Hustle
  •  Michael Fassbender/マイケル・ファスベンダー, 12 Years a Slave
  • Jonah Hill/ジョナ・ヒル, The Wolf of Wall Street
  • Jared Leto/ジャレッド・レト, Dallas Buyers Club


BEST SUPPORTING ACTRESS(助演女優賞)
  • Sally Hawkins/サリー・ホーキンス, Blue Jasmine
  • Jennifer Lawrence/ジェニファー・ローレンス, American Hustle
  • Lupita Nyong'o/ルピータ・ニョンゴ, 12 Years a Slave
  • Julia Roberts/ジュリア・ロバーツ, August: Osage County
  • June Squibb/ジューン・スキッブ, Nebraska



個人的に、BEST PICTURE(作品賞)は、『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』以外、概ね納得。

BEST DIRECTOR(監督賞)は、David O. Russell/デビット O. ラッセル, American Hustle以外は納得。彼は監督としてはとても好きだし、『Silver Linings Playbook(邦題:世界にひとつのプレイブックも大好きだが、今回のノミネートは本当に納得がいかない。全く面白くもなく、メッセージ性もなく、映像も特段秀でていなく、エンターテインメントとしても不完全な作品を作り上げたと思う。

Alfonso Cuarón/アルファンソ・キュラロン, Gravityもしくは Martin Scorsese/マーティン・スコセッシ, The Wolf of Wall Streetに是非受賞していただきたい。

私としては、Buz Larman/バス・ラーマン監督にも『The Great Gatsby(邦題:華麗なるギャツビー)』でノミネートしてもらいたかった。

BEST ACTOR(主演男優賞)は、Christian Bale/クリスチャン・ベール, American HustleChiwetel Ejiofor/キウェテル・イジョフォー, 12 Years a Slave以外の3人は納得。

今度こそLeonardo DiCaprio/レオナルド・ディカプリオ, The Wolf of Wall Streetで悲願のアカデミー賞受賞をして欲しいけれど、きっとMatthew McConaughey/ マシュー・マコノヒー, Dallas Buyers Clubが受賞するのだろうな〜。

BEST ACTRESS(主演女優賞)は大御所たちをとりあえずノミネートしました、っていう印象。Meryl Streep/メリル・ストリープは確かに素晴らしい演技力を持つ女優だが、映画に出たなら、ノミネートしないわけにはいかないのかな。Amy Adams/エイミー・アダムズ, American Hustleが受賞したら、もうアカデミー賞は見ません。たぶん。

BEST SUPPORTING ACTOR(助演男優賞)はとても良いライナップで良い闘いになるそう。誰が受賞しても不思議ではないし、納得だ。

BEST SUPPORTING ACTRESS(助演女優賞)はJennifer Lawrence/ジェニファー・ローレンス, American Hustle以外、納得。彼女は大好きな女優であるが、今回この作品で、彼女演じた役でノミネートされたのは、本当に謎だ。いや、アカデミー賞でノミネートされる作品や俳優たちの傾向を見ると、それほど不思議でもないが。。。

総括として、結局のところ、『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』関連のノミネートは助演男優賞のBradly Cooper(ブラッドリー・クーパー)以外、何故これほど高い評価を得るのか、何故ノミネートをされたのか自体、納得ができない。

なにはともあれ、映画好きの私にとっては注目度No.1のアカデミー賞。

オスカーが出揃うまで1ヶ月ちょっと。当日が楽しみでなりません!

Monday, January 13, 2014

The Golden Globe Awards 2014 (第71回ゴールデン・グローブ賞)


アメリカ時間の昨夜、第71回ゴールデン・グローブ賞が開催された。

開催地であるビバリー・ウィルシャーホテルから5分のところに住んでいる私は、この日は毎年なるべく近辺に近づかないようにしているものの、昨日はたまたま昼も夜もビバリーヒルズに予定があり、通行止めから引き起こされる渋滞に見事にはまってしまった。多少渋滞にイライラしながらも、今この中にエンタメ界/ハリウッドの素晴らしい才能達が集結していると思うと、なんだか妙にソワソワしてしまったことは否定できない。

さて、このゴールデン・グローブ賞。映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞の行方を占う前哨戦ともされる一方、TVは別として、ゴールデン・グローブ賞に選ばれる=あんまり良くない映画と考える人も現地では多いのが事実だ。

よく、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の違いは何?と聞かれるが、大きな違いは2つ。

1.審査員。アカデミー賞は、アカデミー会員(「映画芸術科学アカデミー」に所属する会員約6000人)の投票によって選ばれる賞であるのに対し、ゴールデン・グローブ賞はハリウッド在住の外国人記者(「ハリウッド外国人映画記者協会」に所属する会員約100人)の投票によって選ばれる。前述したアカデミー会員なるものは、監督、俳優ほかアメリカの映画界に携わる人たちで、その多くがアメリカ人で構成されている。

2.審査対象。アカデミー賞は映画のみを受賞対象としているのに対し、ゴールデン・グローブ賞は映画部門とテレビ部門に与えられる賞である。更には、部門や賞の数の違いも挙げられる。例えば、映画部門の作品賞、主演男優および主演女優賞の3賞が、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分かれている。

映画界の最高峰はもちろん、芸術性の高い映画を好む傾向にある、古き良き伝統あるアカデミー賞。

しかし、エンターテインメント性や華やかさを重視しているゴールデン・グローブ賞も、それはそれで一つの注目に値する 賞レースだ。


今年の第71回ゴールデン・グローブ賞は『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』が3部門で受賞し、今回ノミネートされた作品で最多受賞となった。アカデミー賞作品賞の候補に挙がっている『12 Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』もドラマ部門作品賞を獲得した。

過去3年のうち2年は、ゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカルまたはドラマ部門で作品賞を獲得した作品がアカデミー賞を獲得している。昨年は『Argo(邦題:アルゴ)』がゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の作品賞に輝いた。

ということで、例年通りの法則に従う限りでは、アカデミー賞の有力候補は『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』と『12 Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』ということになる。


ゴールデン・グローブ賞に選ばれる=あんまり良くない映画と考える人も現地では多いと前にも書いたが、私の友人たちも「アメリカン・ハッスルを観ようと思っていたけど、ゴールデン・グローブ賞を受賞したってことは良くないってことだから、観るのをやめた」と言う人も実際に多い。


私に至っては、『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』はブログでも書いた通り、正直好きではなかったし、『12 Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』もメディアが騒ぐほど良い映画だとは思えなかった。


やっぱり、どうしてもこういう賞は流れや、同じ人が繰り返し受賞する傾向にあるなーと思ってしまう。

アメリカン・ハッスルはミュージル・コメディー部門の作品賞を受賞した以外にも、同部門の主演女優賞と助演女優賞には、エイミー・アダムスとジェニファー・ローレンスがそれぞれ選ばれた。この二人も受賞の常連さんだ。ジェニファー・ローレンスは大好きだし、確かに2人とも演技は上手いし、途切れることなくたくさんの作品に出演している売れっ子だが、他にも良い作品、良い俳優や女優はたくさんいる。なんとなく、この人に受賞させておけば間違いないだろう、という印象を受けてしまうのは私だけではないはず。

うむむ。

映画部門の中で個人的に嬉しかった賞&納得がいく賞は、以下の4つくらいかな。

・ミュージル・コメディー部門 主演男優賞
   Leonardo DiCapri/レオナルド・ディカプリオ

・監督賞
   Alfonso Cuaron/アルファンソ・キュアロン

・脚本賞
   Spike Jonze/スパイク・ジョーンズ

・主題歌賞
   Ordinary LoveMandela: Long Walk to Freedom(邦題:未定)』


アカデミー賞こそは、もっと納得いく作品や人が受賞することを期待!特に、主演男優賞をレオナルド・ディカプリオが受賞することに期待!