アメリカ時間の昨夜、第71回ゴールデン・グローブ賞が開催された。
開催地であるビバリー・ウィルシャーホテルから5分のところに住んでいる私は、この日は毎年なるべく近辺に近づかないようにしているものの、昨日はたまたま昼も夜もビバリーヒルズに予定があり、通行止めから引き起こされる渋滞に見事にはまってしまった。多少渋滞にイライラしながらも、今この中にエンタメ界/ハリウッドの素晴らしい才能達が集結していると思うと、なんだか妙にソワソワしてしまったことは否定できない。
さて、このゴールデン・グローブ賞。映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞の行方を占う前哨戦ともされる一方、TVは別として、ゴールデン・グローブ賞に選ばれる=あんまり良くない映画と考える人も現地では多いのが事実だ。
よく、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の違いは何?と聞かれるが、大きな違いは2つ。
1.審査員。アカデミー賞は、アカデミー会員(「映画芸術科学アカデミー」に所属する会員約6000人)の投票によって選ばれる賞であるのに対し、ゴールデン・グローブ賞はハリウッド在住の外国人記者(「ハリウッド外国人映画記者協会」に所属する会員約100人)の投票によって選ばれる。前述したアカデミー会員なるものは、監督、俳優ほかアメリカの映画界に携わる人たちで、その多くがアメリカ人で構成されている。
2.審査対象。アカデミー賞は映画のみを受賞対象としているのに対し、ゴールデン・グローブ賞は映画部門とテレビ部門に与えられる賞である。更には、部門や賞の数の違いも挙げられる。例えば、映画部門の作品賞、主演男優および主演女優賞の3賞が、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分かれている。
映画界の最高峰はもちろん、芸術性の高い映画を好む傾向にある、古き良き伝統あるアカデミー賞。
しかし、エンターテインメント性や華やかさを重視しているゴールデン・グローブ賞も、それはそれで一つの注目に値する 賞レースだ。
今年の第71回ゴールデン・グローブ賞は『American
Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』が3部門で受賞し、今回ノミネートされた作品で最多受賞となった。アカデミー賞作品賞の候補に挙がっている『12
Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』もドラマ部門作品賞を獲得した。
過去3年のうち2年は、ゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカルまたはドラマ部門で作品賞を獲得した作品がアカデミー賞を獲得している。昨年は『Argo(邦題:アルゴ)』がゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の作品賞に輝いた。
ということで、例年通りの法則に従う限りでは、アカデミー賞の有力候補は『American
Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』と『12 Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』ということになる。
ゴールデン・グローブ賞に選ばれる=あんまり良くない映画と考える人も現地では多いと前にも書いたが、私の友人たちも「アメリカン・ハッスルを観ようと思っていたけど、ゴールデン・グローブ賞を受賞したってことは良くないってことだから、観るのをやめた」と言う人も実際に多い。
私に至っては、『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』はブログでも書いた通り、正直好きではなかったし、『12
Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)』もメディアが騒ぐほど良い映画だとは思えなかった。
やっぱり、どうしてもこういう賞は流れや、同じ人が繰り返し受賞する傾向にあるなーと思ってしまう。
アメリカン・ハッスルはミュージル・コメディー部門の作品賞を受賞した以外にも、同部門の主演女優賞と助演女優賞には、エイミー・アダムスとジェニファー・ローレンスがそれぞれ選ばれた。この二人も受賞の常連さんだ。ジェニファー・ローレンスは大好きだし、確かに2人とも演技は上手いし、途切れることなくたくさんの作品に出演している売れっ子だが、他にも良い作品、良い俳優や女優はたくさんいる。なんとなく、この人に受賞させておけば間違いないだろう、という印象を受けてしまうのは私だけではないはず。
うむむ。
映画部門の中で個人的に嬉しかった賞&納得がいく賞は、以下の4つくらいかな。
・ミュージル・コメディー部門 主演男優賞
Leonardo DiCapri/レオナルド・ディカプリオ
・監督賞
Alfonso Cuaron/アルファンソ・キュアロン
・脚本賞
Spike Jonze/スパイク・ジョーンズ
・主題歌賞
Ordinary Love『Mandela:
Long Walk to Freedom(邦題:未定)』
アカデミー賞こそは、もっと納得いく作品や人が受賞することを期待!特に、主演男優賞をレオナルド・ディカプリオが受賞することに期待!
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