Wednesday, June 25, 2014

Hellion (邦題/日本公開日:未定 )


20141月にSundance Film Festival(サンダンス映画祭)でプレミアされたこの作品を知って以来、ずっとLAで観ることのできる日を楽しみにしていた『Hellion(邦題:未定/日本公開日:未定)』。


LAプレミア初日の6月20日(金)8時〜ハリウッドのArena Cinemaで初回の放映を観てきた。

LA初回ということもあり、映画の後には、本作の脚本および監督を担当したKat Candler(キャット・キャンドラー)やアカデミー賞候補女優のJuliette Lewis(ジュリエット・ルイス)などが登壇し、Q&Aセッションを行った。


Hellion”を直訳すると、乱暴者、わんぱく者、いたずらっ子という意味を持つ。

主人公の男の子がそのHellion(ヘリオン)に該当する。


舞台はテキサスの田舎町。
妻を亡くし、生きる気力を失ってアル中として飲んだくれの生活を送るシングルファザーのホリスと、母を亡くした淋しさと、父から子育てを放棄された怒りとで、非行的な行動に走る13歳の少年ジェイコブ、そしてその弟ウェスの一家が暮らしている。

ジェイコブはモトクロスとヘビー・メタルに夢中でありながら、他の少年たちと一緒にいたずらや悪さばかりしている。ついには弟までも巻き込むようになり、ジェイコブの向う見ずな振る舞いは制御不能になっていく。

そして相変わらず父は好き勝手にお酒ばかりを飲み歩き、子供達に向き合おうとしない。

ある日、一家の状況が耳に入った児童福祉サービスから、このような家庭状況の中で幼いウェスを置いておくのは危険だと、余儀なくウェスを叔母の元で暮らさせるよう指令が出され、ウェスは父と兄の元から連れ去られてしまう。

これを機に、非行為ばかりを繰り返してきたジェイコブと、感情に欠ける父親のホリスはウェスを取り戻すために責任を持って行動することを決心する。

果たしてホリスとジェイコブは無事にウェスを取り戻すことができるのか?家族として3人が一緒に暮らせる日はもうすぐそこか?


ジェイコブを演じるのは、Leonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の再来と評されるJosh Wiggins(ジョシュ・ウィギンズ)。他の映画を作っている知人から、その知人の映画で起用することになった子役が一緒にYouTubeなどのビデオを作っているジョシュという子がすごくいい!という触れ込みから、実際にジョシュ会ってみた時に、彼の起用をほぼ即決したそうだ。本作品がジョシュにとってのスクリーンデビューである。


父親ホリスを演じるのは、全米で空前のヒットとなったTVドラマシリーズ『Breaking Bad(邦題:ブレイキング・バッド)』などに出演したAaron Paul(アーロン・ポール)。またしてもダメ人間の役を演じる。


映画の始めの方のダラダラと間延びした感じは否めないが、緊迫感あり、スリル満載のエンディングが待っている。




ものすごくおすすめできる映画かと問われれば、少し戸惑ってしまうが、町自体が一つのキャラクターを持つような田舎町をロケーションに使っていることや、モトクロスというニッチなスポーツを取り入れたこと、ストーリーにマッチしているヘビー・メタルの音楽の活用、そして少年達のキャスティングが非常によかったと思う。


インディーズ映画が好きな方であれば、きっと楽しんで観ることのできる映画ではないだろうか。


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Wednesday, June 18, 2014

The Fault In Our Stars (きっと、星のせいじゃない、日本公開日:2015年2月20日)


映画化が発表されてから、劇場で観ることを待ちに待っていた『The Fault In Our Stars(原題:邦題:きっと、星のせいじゃない)』。



36歳の人気作家、John Green(ジョン・グリーン)が20121月に書き下ろした原作である『The Fault In Our Stars(原題:さよならを待つふたりのために)』は、TIME誌が選ぶ2012年度のフィクション小説第1位に選出されたヤングアダルト向けのベストセラー小説。2013Children's Choice Book Award受賞作品でもある。



映画版の監督は 新鋭Josh Boone(ジョシュ・ブーン)。脚本は私の大好きな映画でもある『(500) Days of Summer(邦題:(500)日のサマー)』や2013年の『The Spectacular Now(邦題:未定)』なども一緒に脚本したScott Neustadter(スコット・ノイスタッター)とMichael H. Weber マイケル・H・ウェバー)のコンビ。


主演は私がかつてから好きな女優だと公言しているShaileen Woodley(シェイリーン・ウッドリー)と20歳のイケメンAnsel Elgort(アンセル・エルゴート)。ふたりは『Divergent(邦題:ダイバージェント)』でも 共演しており、どちらも若手役者の注目株だ。ダイバージェントで2人は姉弟役だった為、本作に関するインタビューでシェイリーンは「弟とキスしている感じで違和感があった」と言っている。



ほか出演は、Willem Dafor(ウィレム・デフォー)、『New Year's Eve(邦題:ニューイヤーズ・イブ)』のNat Wolff(ナット・ウォルフ)、『Inland Empire(邦題:インランド・エンパイア)』や『Rambling Rose(邦題:ランブリング・ローズ)』のLaura Dern(ローラ・ダーン)、TVドラマシリーズ『True Blood(邦題:トゥルーブラッド)』のSam Trammell(サム・トラメル)など。

原作者ジョン・グリーンと息子君もカメオ出演予定だったが、撮影されたのち、編集時にカットされている。




肝心のストーリーは、というと。

甲状腺癌患者である16歳の少女、 Hazel Grace Lancaster(ヘイゼル)と、骨肉腫で片足を失った少年Augustus  Walters(オーガスタス)が難病を煩う少年少女向けのサポート団体を通じて知り合い、お互いの病と人生に向き合っていくという恋愛と生死を主軸とした青春ストーリー。



こう書いてしまうと、少し陳腐でありきたりな作品みたいに聞こえてしまうが、実際には非常に深みのある作品である。

生と死という難しいテーマでさぞかし暗く重苦しい雰囲気の映画だと想像する人も少なくないだろう。しかし、とてもユーモアもあり、観る者の笑いを誘う場面もしばしば。



映画の最初の方はふたりの出会いから、観ている方が恥ずかしくなるくらいの純粋で可愛い恋愛模様が描かれている。同時に、その中で、いつ到来するか分からない死を見つめながらの恋愛の難しさ、切なさ、辛さも描かれている。



中盤では、ふたりの恋が愛に変わっていく過程、残酷な病と闘うものにしか分からない辛さとの葛藤、家族と闘病者それぞれの葛藤とそれぞれを思いやる気持ちなどがリアルに描写されている。



これは、実際に原作者のジョン・グリーンが、大学卒業後に5ヶ月間、 小児がんセンターで学生聖職者として働いた経験がいきていると言える。


なるべく多くの人にこの映画を観ていただきたいのと、日本でもまだ原作を読んだことのある人の数も少ないと思うので、あらすじは具体的に書かず、ぼやかしたまま、ここまでにしておきたいと思う。



最後の方の約30分間は劇場内からも嗚咽や鼻水をすする音があちらこちらから聞こえ、私自身も目が腫れるほど号泣してしまった。



闘病している者は、病気と闘い、死の恐怖に覚えながらも、常に自分が愛している者、家族、友だち、恋人のことを一番に考えているのだ。そしてものすごく気遣っているのだ。


運命というのは残酷だ。
死を前にして人を愛してしまったら、死を前にしている人を愛してしまったら。
すぐに離れてしまうくらいなら、お互いにとって、恋に落ちない方がよかったのか。






結末はもちろん書かないが、物語の最後を部分引用してここに記載したい。誰が誰に言った言葉なのかは敢えて分からないようにしておく。
(以下、原文を私がかいつまんで個人的に訳したものです)

みんな生きた証を残したがる。伝説になりたがる。死後も みんなにいつまでも覚えていて欲しいと願う。でも、人が死ぬ時は、誰かの心に傷跡を残していくことの方が圧倒的に多いのが現実だ。

多くの人に愛されるより、それがたとえ少ない人からでも、深く愛され、記憶に残ることこそが本当のヒロイズムだ。

私たちはこの世界において、傷つけられるかどうかを選ぶことはできない。でも、誰によって傷つけられるかは一定選ぶことができる。

その“誰”の選択は正しかったと思う。君も同じように思ってくれているといいな。





この映画を観ていただいたら、きっとこのフレーズに込められている想いが分かると思います。


この記事を書きながらも思い出し涙がポタポタ...。


ぜひぜひ劇場に足を運んで観ていただきたい。ハンカチはお忘れなく。



ジョンが描くキャラクター達には、人と違った魅力があり、且つクレバーな10代後半の若者たちであり、更には文学や歴史など文学的要素も含まれている上、物語の組み立て方も非常に素晴らしいので、大人の読者/観客にとっても、知的好奇心が満たされる作品なので、幅広い年齢層におすすめだ。


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