本作『Winter’s Bone(邦題:ウィンターズ・ボーン)』は、2006年に発表されたアメリカのノンフィクション作家Daniel
Woodrell(ダニエル・ウッドレル)の小説に基づいているインディペンデント映画である。
毎年数多くの素晴らしいインディペンデント映画が上映されるサンダンス映画祭で初公開され、2010年度のドラマ部門のグランプリを受賞した。
第83回アカデミー賞では作品賞、脚色賞、主演女優賞、助演男優賞の計4部門にノミネートされ、インディペンデント映画としては大成功したといえる作品だ。
一方で、この映画を観たことがある人は意外と少ないのではないだろうか。
第83回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた女優、それは今や誰もが知る大人気スター、そしてアカデミー賞女優となったJennifer
Lawrence(ジェニファー・ローレンス)。
彼女が本格的にブレイクし、大女優へと登り詰めるきっかけとなったのは『The
Hunger Games(ハンガー・ゲーム シリーズ)』の主人公Katniss(カットニス)に大抜擢され主演したことであるのは間違いないが、本作『Winter’s
Bone(邦題:ウィンターズ・ボーン)』で、業界内でこそ、静かに注目され始めていた。
しかし、その後もこれまたサンダンス映画祭で上映されたインディペンデント映画『Like
Crazy(邦題:今日、キミに会えたら)』では微妙な立ち位置の脇役にとどまった。
だからジェニファー・ローレンスとしては、ハンガーゲームズで自らの名を世に知らしめることができたことは確実に今の成功へと繋がっていると考えているだろう。
『Winter’s Bone(邦題:ウィンターズ・ボーン)』でジェニファー・ローレンスが演じるのは、Ree
Dolly(リー・ドリー)というアメリカ合衆国ミズーリ州南部の田舎町に暮らす少女。父は逮捕されているが、逮捕を逃れるためか謎の失踪しており、母は精神の病を抱えているため、リーが幼い弟と妹の面倒を見ている。
ある日、保安官が家にやってきて、失踪しているリーの父親が翌週の裁判に出廷しないと、いま彼女たちが住んでいる家が没収されると告げる。
リーは家族と家族が住む家を守るため、隣人、友人、父方の親類や仲間と思われる人達を訪ね、必死に父親の行方の手がかりを得ようとする。
しかし、その先に待っていた事実とは…。
父の失踪の裏には、どんな秘密が隠されているのか…。
そして事実を知ったリーが、家族とその家を守る為にとった行動とは…。
初めから最後まで全体的に暗い雰囲気の映画ではあるが、ジェニファー・ローレンスに首ったけのファンの方、ブレイク前の彼女の初々しい姿を見たい方、レンタルして見てみてはいかがだろうか?
ジェニファー・ローレンスがこの頃から演技が上手かったのが分かる。ミズール州独特の訛りに加え、田舎町や裕福ではない家庭で育った子供の話し方、本当にこの映画の舞台で映画の中の生活をしているのではないかと思うほど素晴らしいのである。
ストーリー含め、必見!という作品ではないものの、ちょっとしたミステリーホラーものの映画が観たくなった時にもってこいの映画だ。
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