Saturday, June 22, 2013

Olympus Has Fallen (邦題:エンド・オブ・ホワイトハウス)


こちら『Olympus Has Fallen』も日本では先日6月8日に公開されたばかりの映画



邦題はエンド・オブ・ホワイトハウス。あらすじには合っているだが、この映画で邦題をエンド・オブ・ホワイトハウスにしてしまうと、今度出てくる 『White House Down』の邦題は何になるのだろうか。とても紛らわしくなりそうだ。

それはさておき、この映画はとてもよくありがちなアメリカ映画である。展開が想像できて、どれだけ酷似していても、それなりに観客が集まる映画でもある。

アメリカに対してテロ行為をしかけ、一人のヒーローがその危機をしのぎ、最終的にアメリカがテロに勝つという展開のストーリー。そしてそのヒーローというのは大概、元警察官、元兵士、元FBI、元CIAといった何らかの国家組織に属していた過去があり、しかしながら何かしらの理由で一戦を退き、しがない一般人として生活しているが、危機を前にして、突然またこれまでの訓練を活かしてヒーローらしく敵を次々と倒していき、最後には国を救い、称賛をされるのだ。 



この映画でのヒーローであるマイク・バニング役を演じるのは、このフィルムのプロデューサーも務めているジェラルド・バトラーだ。

そして、映画のプロットは、ホワイトハウスが北朝鮮のテロリストに占拠され、合衆国大統領が人質にとられたというもの

こういうプロットは世界の中でも最も権力があり、愛国心が強いアメリカならではの映画だ。日本で同じ設定は想像し難い。

映画館でこの映画を見終わった後、アメリカ人はほぼ全員が拍手をするから、また面白い。何度同じシナリオを観ても、やはりアメリカ強し!という終わり方に満足をするのである。アメリカ人の愛国心が強さには感心することが多々あるが、これもその一つだ。ある意味単純だが、多国籍の民族を受け入れていて、多くの言語、宗教、人種、価値観はあれど、ホワイトハウス、アメリカ国旗、大統領といったものや人に、どのような場面においてもいっき心を一つにするのだ。

アメリカでは、良い映画であったり、満足をしたりした際に、拍手をしたり、面白いシーンでは大声を出して笑ったり、映画館内で感情を表現する文化が浸透しているが、アメリカが強い!という映画の後には、また違った種類の拍手が必ずといっていいほど館内に沸き上がるのである。

私も基本的にこの手の映画は好きなので、普通に楽しむことができた。ストーリーは最初から予想ができているが、やはりそれでもスリルやアクションを観るのは面白い。感情移入しすぎず楽に観ることができるという良い点もある。

そして何よりこの映画の良い点は、ヒーローであるマイク・バニングと大統領の関係性が映画の最初で分かるので、それがゆえにどうしてマイク・バニングがそれほど体を張って大統領とその家族、ホワイトハウスを救いたいのかの動機が明確となり、話がうまく繋がって行く、ということだ。ただ単にテロに立ち向かっているのではなく、個人的な大統領とのつながりも彼にパワーを与えているのだ。(そう、少し24のジャック・バウワーを思い出す人もいることだろう。)

テロリスト、カン役のリック・ユーンは、彼の顔や表情は謎の恐ろしさがあるのでなかなかよかった。日本では『Die Another Day(邦題:007 ダイ・アナザー・デイ)』のザオ役として見覚えがある人もいるのではないだろうか。

少し残念だったのが、大統領役のアーロン・エッカートが大統領っぽい威厳やカリスマ性があるタイプではないこと。特にアメリカの大統領像とは異なる。

また、モーガン・フリーマンが好きだから観よう!という人にもおすすめはしない。映画のポスターなどでも真ん中に写っているが、特にモーガン・フリーマンは鍵を握る役でもなければ、それほど存在感があるわけでもなく、ちょい役にすぎない。

そして、アントワーン・ フークア監督の『Training Day(邦題:トレーニング・デイ)』と比べてしまうと、少し物足りない。彼の『Shooter(邦題:ザ・シューター)』が好きな人は、きっと好きだと思う。同じようなスリルとアクションを楽しめる上に、主人公も同じような人物像だ。


ジェラルド・バトラーは想像以上によかった。これまで彼が出演している作品は『The Phantom of the Opera(邦題:オペラ座の怪人)』、『P.S. I Love You (邦題:P.S.アイラブユー)』、そしてラブコメディ『The Ugly Truth(邦題:男と女の不都合な真実)』しか観たことがなかった為、恋愛もののイメージが強かったが、アクションもかなりいけると純粋に驚き感動した。しかしあのワイルドさ、肉体美を考えると、全くもって不思議ではない。強さ、迫力、緊迫感もすごく出ていた。

もっと彼のアクションスリラーが観てみたい。


ところで余談だが、ジェラルド・バトラーといえば。
別にすごく似てるわけではないのだけれど、何故かダニエル・クレイグとかぶるのは私だけであろうか?

年齢もほぼ変わらないし、ダニエル・クレイグはUK、ジェラルド・バトラーはスコットランド (UK) 出身でそれも近い。

もし本当にダニエル・クレイグがギャラの値上げ交渉をしているせいで、ドラゴン・タトゥーの女の続編制作が難航しているのなら、ジェラルド・バトラーを代わりに起用しても全然問題がないような気がする。むしろ、ジェラルド・バトラーの方がセクシーで若く見えるから、ジェラルド・バトラーの方が良いのではないだろうか。私にはどうしても、ダニエル・クレイグとルーニー・マーラの絡みがおっさんと若い娘にしか見えないから、映画に恋の要素も含めている以上、観てて少し厳しい感じがするのだが

ダニエル・クレイグは007シリーズのジェームズ・ボンドだけやってくれていていいのに。

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