Tuesday, June 18, 2013

To Rome with Love (邦題:ローマでアモーレ )


日本ではつい先日、6月8日に公開されたばかりのオムニバスラブコメディ『To Rome with Love(邦題:ローマでアモーレ)』。

ローマでアモーレ?!

この邦題はどうしたものか。

邦題を知り、え?と首を傾げることはしばしばあるけれど、この邦題も間違いなくその一つ。最初は冗談かと思ったくらい、ちょっと恥ずかしくなるくらいのネーミング。

意味自体も変わってしまっている。ローマへ愛を込めて、ではなく、ローマで恋愛、ローマで愛するといった類いの意味へと変わってしまっている。

確かに映画の内容には反していないし、コミカルな名前にしたかったのかもしれないが、それにしても個人的には言葉を失ってしまうほど残念だ。

気付いた方もいらっしゃるかもしれないが、私のこのブログのタイトル、『To Hollywood With Love』は、 この映画の原題を文字って付けたもの。だから、『From Hollywood With Love(ハリウッドより愛を込めて)』ではなく、『To Hollywood With Love(ハリウッドへ愛を込めて)』となっている。そして、後者の方が、ハリウッド映画に対する情熱と敬意を表したかった私としてはしっくりきたのだ。

が、しかし。この映画の邦題に従うと、このブログの和訳は『ハリウッドでアモーレ』になるのだろうか。。。。。

ちょっと心外である。


それはさておき、ウッディ・アレンが監督で、しかも5年ぶりに自身も主人公として登場するということ、そして『The Social Network(邦題:ソーシャル・ネットワーク)』のマーク・ザッカーバーグ役であるジェシー・アイゼンバーグも出演している ことに魅かれ、私は半年ほど前にこの映画を観た。



中身やメッセージ性はあまりないけれど、気軽に観ることのできる陽気な映画だ。

また、イタリアの街並/景色、そして空気/雰囲気を楽しむことができるので、見終わった後にイタリアに行きたくなることが必至だ。ストーリーの組み立て方も面白い。実際にハリウッドでは無名なイタリア人の俳優や女優も起用しているので、よりイタリアの雰囲気が出ている。

オムニバスといっても、それぞれの登場人物が交わるわけではない。通常オムニバス映画で多くみられるのが、登場人物同士が実は繋がっているという展開。それとは異なり、それぞれのカップルは交わることなく切り離されており、同じ場所を舞台としているというのみだ。

ローマを舞台に、4組のカップルの物語がコメディ調に繰り広げられる。

一組目のカップルは、アメリカから夏休みの旅行でローマに来ていた女の子ヘイリー役のアリソン・ピル がイタリア人の男性と出会い婚約するストーリー。婚約の報告を聞き、ヘイリーの両親がアメリカからイタリアにやってくるのだが、そのヘイリーの父親として登場するのが本作品の監督でもあるウッディ・アレンである。

二組目のカップルは新婚のアントニオとミリーの話。新婦のミリーが用事を住ませに外出している間に売春婦アンナ役のペネロペ・クルスが間違えてアントニオの部屋に送られて来るというところから始まる。

三組目はカップルというよりも一人の男性を中心としたストーリーで、平凡な夫が一日にして突然町中の有名人になってしまう話。

そして、四組目は、有名な建築家ジョンが昔住んでいたローマを奥さんと子供と訪れ、懐かしみながら町中を歩いているうちに出会う若い学生カップルの話。このカップルの彼氏ジャック役がジェシー・アイゼンバーグである。このカップルの関係を脅かす彼女の友だちモニカとして登場するのがエレン・ペイジだ。

私はこのフィルムに特に期待もしていなかったので、実際に観て落胆することもなく、それなりに楽しむことができた。実際に声を出して笑う場面もいくつかあった。

ウッディ・アレン作品史上最低という声も多い一方で、好きな人はすごく好きな映画だと思う。『Midnight in Paris(邦題:ミッドナイト・イン・パリ)』 や『Manhattan(邦題:マンハッタン)』が好きな人がこの作品を好きかと言われれば、分からないが、『Vicky Cristina Barcelona(邦題:それでも恋するバルセロナ)』のようなウッディ・アレン作品が好きな人は楽しめるのではないだろうか。

ただ、“良い邦題の映画にハズレなし”といういわれもあるが、これもあながち間違ってはいないだろう。この映画の場合は逆であるが


女性陣は前述の通り、『Milk(邦題:ミルク)』や『Midnight in Paris(邦題:ミッドナイト・イン・パリ)』のアリソン・ピル、『Juno(邦題:JUNO/ジュノ)』や『Inception(邦題:インセプション)』の若手女優エレン・ペイジや、『Vicky Cristina Barcelona(邦題:それでも恋するバルセロナ)』で第81回アカデミー助演女優賞に輝いたペネロペ・クルスらが登場する。アリソン・ピルを除いて、個人的にはエレン・ペイジもペネロペ・クルスもあまり好きではない女優なのだがストーリー自体が軽いタッチであるため、この作品ではそれほど気にならず観ることができたものの、エレン・ペイジのワンパターンな話し方と演技は自宅で観ていたら早送りをしたいくらいであった。

ジェシー・アイゼンバーグが好きな人には是非『30 Minutes or Less(邦題:ピザボーイ 史上最凶のご注文)』を観ることをお勧めする。比較的マイナーな映画ではあるが、お腹を抱えて笑える作品だ。マーク役とはまたひと味もふた味も違ったジェシーをみることができる。

私は現在アメリカで公開中であるマジシャン達の犯罪映画『Now You See Me(邦題:グランド・イリュージョン)』を近々観るのがすごく楽しみだ。 非常にエンタテインメント性が高いようで、聞く限りでの評判は上々だ。日本では10月より全国でロードショーを予定しているみたいだが、この作品の邦題はなかなか良いと思うので、期待できるのではないだろうか?日本での公開前には本ブログで是非ともご紹介したいと思う。

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