Wednesday, August 28, 2013

Elysium (邦題:エリジウム )


2009年『District 9(邦題:第9地区)』のNeill Blomkamp(ニール・ブロムカンプ)監督の新作、『Elysium(邦題:エリジウム)』を公開後すぐにスクリーンで観てきた。


Elysium(エリジウム )】とは、理想郷、至上の幸福。

出演している俳優陣はMatt Damon(マット・デイモン)、Jodie Foster(ジョディ・フォスター)、そして『第9地区』ですっかり有名になったSharlto Copley(シャールト・コプリー)など。撮影、編集、プロダクション・デザイン担当は『第9地区』と同じスタッフだ。 

この映画の舞台は2154年。その時代には、2つ階級の人間が存在しているという設定だ。一つは、非常に豊かでお金を持っている富豪階級の人々。その人達は、アルマダインコーポレーションが築き上げた“エリジウム”という空間に暮らしている。エリジウムには、戦争、貧困などというものは一切存在しない。また、彼らは、病気になっても治すことができる機械を保持しているため、病気知らずでもある。

一方で、貧乏層の人々は、人口過多で、老廃した破滅寸前の地球に住んでいるのである。


マット・デイモン演じる主人公のMax(マックス)は、幼少期に同じ孤児院で育ったFrey(フレイ)に、“いつか必ずエリジウムに連れて行くと約束する。

その後、マックスは殆どの時間を牢獄で過ごしていたため、フレイとは音信不通で離れて暮らすが、マックスが怪我をした時に診察に行った病院で、ナースとして働いていたフレイと偶然再会する。そこで、フレイの娘が小児性白血病だということを知る。

マックス自身もとあるきっかけで放射能に汚染されてしまい、それを治す為にも、フレイの娘を助けるためにも、無謀な作戦をたて、エリジウム行きを目指す。

比較的エグイ場面もあり、乱暴な言葉遣いが多いが、結構面白い映画だ。
アクションというよりも、エリジウムと地球という二つの空間を描いている世界観が興味深いフィルムである。

日本公開は20130920日の予定だ。

English Trailer

Japanese Trailer

以下余談だが、本映画の企画段階で、キャスティングで主役候補に名が挙がっていたのは、実はEminem(エミネム)だった。そう、あのラッパーのエミネムだ。彼が主役を務めていれば、自身8 Mile以来の主演となるはずだった。

しかし、エミネムの出演OKの条件は、彼のホームタウン、デトロイトをロケ地とすること。結局、エミネムの希望に沿うことはできなかった為、監督はマット・デイモンに話を持ちかけたのだ。そして最終的には、監督の世界観に度肝を抜かされ、共感したマットに主演が決まったのであった。

マット・デイモンは有名になっても、様々なメリット等だけを考えて仕事を受けるわけではなく、話自体が面白いかで決めるということで知られている。だから、今回の映画のように低めのバジェットの映画でも、彼は好んで自ら仕事を受けたのである。

彼は私生活の妻選びですらも、有名な女優などではなく、撮影地で知り合った、バーで働くシングルマザーと結婚した、いわゆるハリウッドのセレブとはひと味違った感覚の持ち主だ。

好感を持つ人もいれば、自分を安売りしすぎだという声もある。しかし、私は華やかである一方欲望が入り乱れるハリウッドのスターでいながらも、自分の感覚を第一優先して信じられる彼は素晴らしい人間だと、素直に尊敬する。


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