And the OSCAR goes to…
昨夜(現地時間3月2日)、ロサンゼルス、ハリウッドのドルビー・シアターにて 第86回アカデミー賞が開催され、それぞれの部門にてオスカーが発表された。
今年のアカデミー賞は、最多10部門にノミネートされ、そのうち7部門でオスカーを受賞した『Gravity(邦題:ゼロ・グラビティ)』と、作品賞、脚色賞、助演女優賞などで主要部門でオスカーを受賞した『12 Years a
Slave(邦題:それでも夜は明ける)』の2本が最大の勝者になったといえる。
『American
Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』は『Gravity(邦題:ゼロ・グラビティ)』と同じ最多10部門にノミネートされるも、オスカーはひとつも獲得できず。
同様に、『The
Wolf of Wall Street(邦題:ウルフ・オブ・ウォールストリート)』も、主要部門でいくつかノミネートはされたものの、どの部門においてもオスカーの受賞はならなかった。
どちらのフィルムも一般客には大人気となったが、やはり内容的にアカデミー会員にはそれほど評価されなかったのか。
しかし、今年のアカデミー賞は、すごく納得のいくというか、思った通りの結果だったし、下馬評どおりの面々がそれぞれの部門で受賞したように思う。
さて、改めて主要部門のNomineeとWinnerをそれぞれ見てみよう。
BEST PICTURE(作品賞)
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Captain Phillips(邦題:キャプテン・フィリップス)
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Dallas Buyers Club(邦題:ダラス・バイヤーズクラブ)
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Nebraska(邦題:ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅)
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Philomena(邦題:あなたを抱きしめる日まで)
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[WINNER] 12 Years A Slave(邦題:それでも夜は明ける)
作品賞は、予想通り。個人的にはこの映画は過剰評価されているように思うが、いかにもアカデミーが好きそうなデーマであり、映画だ。それに、プロデューサーはBrad
Pitt(ブラッド・ピット)。ただ、今この時代だからこそ、改めて奴隷制度を真っ向から否定し、人間が人間にしうる最大の悪であるということを世の中に伝え、考えさせるという意味では、こういう映画があって良かったと思う映画であるのは認めざるをえない。
BEST DIRECTOR(監督賞)
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[WINNER]
Alfonso Cuarón/アルファンソ・キュラロン,
Gravity
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Steve McQueen/スティーブ・マックイーン,
12 Years a Slave
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Alexander Payne/アレクサンダー・ペイン,
Nebraska
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David O. Russell/デビット
O. ラッセル, American Hustle
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Martin Scorsese/マーティン・スコセッシ,
The Wolf of Wall Street
これも、難しい選択だったと思うが、宇宙でハプニングというありきたりなストーリーをあれほどまでに観る者を最後まで引き込むことができた斬新さは監督の腕そのものだと思う。本当に素晴らしい映画だった。ものすごく納得の受賞である。ちなみに、ヒスパニック系の監督がアカデミー賞監督賞を受賞するのは初めてのことだ。
BEST ACTOR(主演男優賞)
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Christian Bale/クリスチャン・ベール,
American Hustle
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Bruce Dern/ブルース・ダーン,
Nebraska
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Leonardo DiCaprio/レオナルド・ディカプリオ,
The Wolf of Wall Street
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Chiwetel Ejiofor/キウェテル・イジョフォー,
12 Years a Slave
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[WINNER]
Matthew McConaughey/ マシュー・マコノヒー,
Dallas Buyers Club
作品賞の次、いや、もしかすると作品賞以上に今年注目が高かったのは、この部門であることは間違いないだろう。Leonardo
DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)、今年こそは悲願のアカデミー賞受賞!と誰もが祈ったことだろう。しかし、こちらも下馬評どおり、名俳優Matthew
McConaughey(マシュー・マコノヒー)が受賞。ディカプリオが獲れなくて悲しんでいる人はたくさんいる一方で、なんでマシューなんだと言っている人はいない。それだけ、マシューの本作での演技の評価はものすごく高い。どちらが獲っても納得だったが、マシューの方はなんといっても映画のテーマとストーリーが良かった。もちろん、演技も。
BEST ACTRESS(主演女優賞)
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Amy Adams/エイミー・アダムズ, American Hustle
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[WINNER] Cate
Blanchett/ケイト・ブランシェット,
Blue Jasmine(邦題:ブルージャスミン)
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Sandra Bullock/サンドラ・ブロック,
Gravity
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Judi Dench/ジュディ・デンチ,
Philomena
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Meryl Streep/メリル・ストリープ,
August: Osage County(邦題:8月の家族たち)
わたしの予想的中だったCate Blanchett(ケイト・ブランジェット)の主演女優賞獲得。Amy Adams(エイミー・アダムズ)は良く分からないけど、他の女優さんたちは、みんながみんな、どんな役であっても素晴らしい演技をする女優さんたちばかりで、もうみんなさすがです!という感じだ。
それにしても、ケイトのスピーチ、何度も見たくなるほど素敵だったな〜。
BEST SUPPORTING ACTOR(助演男優賞)
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Barkhad Abdi/バーカッド・アブディラマン,
Captain Phillips
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Bradley Cooper/ブラッドリー・クーパー,
American Hustle
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Michael Fassbender/マイケル・ファスベンダー,
12 Years a Slave
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Jonah Hill/ジョナ・ヒル,
The Wolf of Wall Street
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[WINNER] Jared
Leto/ジャレッド・レト,
Dallas Buyers Club
これは、文句なし、そして下馬評どおりの受賞だった。Michael
Fassbender(マイケル・ファスベンダー)は素晴らしい俳優さんだし、Bradley
Cooper (ブラッドリー・クーパー)は格好良すぎだし、Jonah Hill(ジョナ・ヒルは素晴らしいキャラクターだけど、今回は役どころとしても、Jared Leto(ジャレッド・レト)が受賞するのが必至だっただろう。
BEST SUPPORTING ACTRESS(助演女優賞)
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Sally Hawkins/サリー・ホーキンス,
Blue Jasmine
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Jennifer Lawrence/ジェニファー・ローレンス,
American Hustle
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[WINNER] Lupita
Nyong'o/ルピータ・ニョンゴ,
12 Years a Slave
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Julia Roberts/ジュリア・ロバーツ,
August: Osage County
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June Squibb/ジューン・スキッブ,
Nebraska
Julia Roberts(ジュリア・ロバーツ)も、June Squibb(ジューン・スキッブ)も素晴らしい演技だった。が、こちらも下馬評どおり。流れ的に、もう誰もがLupita
Nyong'o(ルピータ・ニョンゴ)が獲ると予想してたであろう。うむ。
今こうやって振り返ってみても、本当に予想どおり、世の中の流れや押しどおり、下馬評どおりに各部門それぞれ受賞したように思う。
そしてここからは個人的に嬉しかった受賞たち。
まずは、『Her(邦題:her/世界でひとつの彼女) 』のBest Original Screenplay(脚本賞)獲得 。どんどんオリジナルのネタが切れてきて、小説などを映画化するAdapted
Screenplay(脚色)が増える中、オリジナルの脚本賞は本当に価値があると思う。Spike
Jonze(スパイク・ジョーンズ)、おめでとう!彼は本フィルムの監督も勤めているが、脚本ソロデビューした作品で脚本賞を獲得できたのは心底感動的だっただろう。相変わらずかっこいいし!
他には、『The Great Gatsby(邦題:華麗なるギャツビー)』のBest Production Design(美術賞)とBest
Costume Design(衣装デザイン賞)も嬉しかった。やはりあの華麗できらびやかな世界観は素晴らしかった。
そして賞とは関係ないが、P!nkの歌のステージはもちろん、アニメーションフィルム『Frozen(邦題:フローズン)』のオリジナル曲『Let It Go』の歌も引き込まれてしまった。
そして最後に。Leonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)、本当に残念だった。映画界、ハリウッドで確固たる地位と存在感、貢献を果たしている素晴らしい俳優であり、映画人であるから、今後さらなる素晴らしい数々の映画を作って欲しい。そして、いつかは….ノーベル文学賞をいつまで経っても受賞できないHaruki Murakami(村上 春樹)とだぶってしまう。彼らがそれぞれの分野で残してきた業績は偉大で、時代を超えて思い出される人物であることには間違いはないわけだし、賞をもらうかもらわないか、今さら本当にどうでもいいことであるとも思うが、彼ら本人が獲りたいと思っているのであれば、いつかはやっぱり獲って喜んでいる姿が見たいものです。
それにしても、本当に欧米人はスピーチがうまい!テンポも良いし、面白いし、気が利いてるし。前もって準備してあるにせよ、本当に毎回毎回感動させられてしまう。
今年も楽しく、きらびやかなアカデミー賞でしたとさ。
また来年もどんな賞レースを見ることができるのか。
2014年〜2015年にかけてどんな映画と出逢うことができるのか。
さっそく今日から既に楽しみでなりません。
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