この映画は、(私の友人曰く) ひとことで言えば、 ゴジラ対メカゴジラの闘いである。
舞台は2020年代。太平洋から突如現われ、世界各国の主要都市が次々と攻撃していく巨大怪獣”Kaiju”たち。世界滅亡の危機に瀕した人類は、最終手段としてパイロットと神経を接続して動く2人乗りの巨大ロボット"イェーガー/Jaegers"を開発し、稼働させる。
それぞれに残酷な体験をした過去を持ち、苦しみの中で行きてきたパイロット二人が世界を救うべく、怪獣たちに立ち向かっていくのである。
“Kaiju”は言うまでもなく、「怪獣」を元に作られているが、別に日本の怪獣が敵だというわけではない。ギレルモ・デル・トロ監督は「日本の漫画、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している」とインタビューでも答えており、誤解されないことを願っている。
本来、SF映画や人間以外の闘いを描いた作品は苦手なのだが、この作品への期待値が非常に低かったからというのもあるかもしれないが、予想以上に楽しんで観ることができた。パイロット達の過去や登場人物の関係性といったストーリー面の面白さ、映像とスペシャルエフェクト/特殊効果の美しさ、スケールの大きさとダイナミックさ、そしてロボットは人間に外から操縦されるだけではなく、中に実際に心の通った生身の人間が入って操縦している異色さがこのフィルムの醍醐味である。
最初から最後まで全体的に、映画というよりも、2時間強のアトラクション的な感覚で観ることのできる作品だ。
本フィルムで主人公パイロットのラリー・ベケット役を演じるのは、映画ではまだこれといった代表作がないが、『Sons of
Anarchy(邦題:サンオブアナーキー)』という米ドラマで全米では知名度の高いCharlie
Hunnam(チャーリー・ハナム)である。
その脇を固めているのが、ベテラン俳優二人、Idris Elba(イドリス・エルバ)と、デル・トロ監督の代表作である『Hellboy(邦題:ヘルボーイ)』で主演を務めたRon
Perlman(ロン・パールマン)である。この二人がそれぞれに非常にいい味を出している。
闘いに頭脳の面で支援する二人の博士を演じるCharlie Day(チャーリー・デイ)とBurn
Gorman(バーン・ゴーマン)の演技も必見だ。シリアスな闘いが繰り広げられて行く中で、ユーモアと笑いを提供してくれる。
日本では、菊地凛子がルーキーパイロットとして準主演をつとめ、今回ハリウッドでビューとなる芦田愛菜が菊地凛子の幼少時代をつとめることでもきっと話題になっていることだろう。実際に彼女達は、この映画の中で大きな役を担っている。
日本での公開まで1ヶ月弱。
日本が生み出した怪獣という文化が物語のコアとなり、そして日本人女優二人が熱演する本作品。是非劇場に足を運んで、3Dでそのダイナミックさを体験していただきたい。
Japan Ver. Trailer
English Ver. Trailer
No comments:
Post a Comment