アメリカ時間の2月22日(日)、今年も映画の祭典、アカデミー賞がハリウッドで開催された。
いつも晴天のロサンゼルスだが、今年は雨の中のレッドカーペットとなった。
“今年は予想がしづらい”と毎年言っているような気もするが、今年は本当に予想がしづらかった。全てのノミネート作品が素晴らしかった一方、ダントツ飛び抜けているいう作品も特になかった印象だ。また、好みによっても大きく感想や評価が違う作品が揃っていることもある。
しかし、ふたを開けてみれば、『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』の大きな勝利となった。
『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』も4部門で受賞し、作品に相応する勝利を得たと言える。
ゴールデングローブ賞をはじめ、注目度の高かった 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』は意外にも助演女優賞の1部門のみの受賞にとどまった。
以下、主要部門でのノミネート作品と受賞作品を一挙公開!
And the Oscar went to...
★Best Picture(作品賞)
『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
WINNER: 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
『Selma(邦題:セルマ)』
『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
『Whiplash(邦題:セッション)』
★Best Director(監督賞)
Wes Anderson(ウェス・アンダーソン), 『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
WINNER: Alejandro González Iñárritu(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥー), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Richard Linklater(リチャード・リンクレイタ―), 『Boyhood (邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
Bennett Miller(ベネット・ミラー), 『Foxcatcher (邦題:フォックスキャッチャー)』
Morten Tyldum(モルテン・ティルデゥム), 『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
★Best Actress (主演女優賞)
★Best Adapted Screenplay (脚色賞)Paul Thomas Anderson(ポール・トーマス・アンダーソン), 『Inherent Vice(邦題:未定)』
Damien Chazelle(ダミエン・シャゼル), 『Whiplash(邦題:セッション)』
Jason Hall(ジェイソン・ホール), 『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
Anthony McCarten(アンソニー・マッカ―テン), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
WINNER: Graham Moore(グラハム・ムーア), 『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
★Best Original Screenplay(脚本賞)
Wes Anderson(ウェス・アンダーソン)『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
Dan Futterman and E. Max Frye(ダン・フッターマン、E.マックス・フライ), 『Foxcatcher(邦題:フォックスキャッチャー)』
Dan Gilroy(ダン・ギルロイ), 『Nightcrawler(邦題:未定)』
WINNER: Alejandro Gonzalez Inarritu(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥー), Nicholas Giacobone(ニコラス・ジャコボーン), Alexander Dinelaris(アレクサンダー・ディネラリス)and Armando Bo(アルマンド・ボー), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Richard Linklater(リチャード・リンクレイタ―), 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
★Best Film Editing(編集賞)
『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
WINNER: 『Whiplash(邦題:セッション)』
Dick Pope(ディック・ポープ), 『Mr. Turner(邦題:ターナー、光に愛を求めて)』
Robert Yeoman(ロバート・D・イェーマン), 『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
Lukasz Zal and Ryszard Lenczewski, 『Ida(邦題:未定)』
以下、主要部門でのノミネート作品と受賞作品を一挙公開!
And the Oscar went to...
★Best Picture(作品賞)
『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
WINNER: 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
『Selma(邦題:セルマ)』
『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
『Whiplash(邦題:セッション)』
★Best Director(監督賞)
Wes Anderson(ウェス・アンダーソン), 『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
WINNER: Alejandro González Iñárritu(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥー), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Richard Linklater(リチャード・リンクレイタ―), 『Boyhood (邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
Bennett Miller(ベネット・ミラー), 『Foxcatcher (邦題:フォックスキャッチャー)』
Morten Tyldum(モルテン・ティルデゥム), 『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
★Best Actress (主演女優賞)
Marion Cotillard(マリオン・コティヤール), 『Two Days, One Night(邦題:サンドラの週末)』
Felicity Jones(フェリシティ・ジョーンズ), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
Felicity Jones(フェリシティ・ジョーンズ), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
WINNER: Julianne Moore(ジュリアン・ムーア), 『Still Alice(邦題:アリスのままで)』
Rosamund Pike(ロザムンド・パイク), 『Gone Girl(邦題:ゴーン・ガール)』
Reese Witherspoon(リース・ウィザースプーン), 『Wild(邦題:未定)』
★Best Actor (主演男優賞)
Steve Carell(スティーヴ・カレル), 『Foxcatcher(邦題:フォックスキャッチャー)』
Bradly Cooper(ブラッドリー・クーパー),『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
Bennedict Cumberbatch(ベネディクト・カンバ―バッチ), 『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
Michael Keaton(マイケル・キートン), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
WINNER: Eddie Redmayne(エディ・レッドメイン), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
★Best Actor (主演男優賞)
Steve Carell(スティーヴ・カレル), 『Foxcatcher(邦題:フォックスキャッチャー)』
Bradly Cooper(ブラッドリー・クーパー),『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
Bennedict Cumberbatch(ベネディクト・カンバ―バッチ), 『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
Michael Keaton(マイケル・キートン), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
WINNER: Eddie Redmayne(エディ・レッドメイン), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
★Best Supporting Actress (助演女優賞)
WINNER: Patricia Arquette(パトリシア・アークエット), 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
Laura Dern, 『Wild(邦題:未定)』
Keira Knightley(キーラ・ナイトレイ), 『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
Emma Stone(エマ・ストーン), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Meryl Streep(メリル・ストリープ), 『Into the Woods(邦題:インテゥ・ザ・ウッズ)』
★Best Supporting Actor (助演男優賞)
Robert Duvall(ロバート・デュヴァル), 『The Judge(邦題:ジャッジ 裁かれる判事)』
WINNER: Patricia Arquette(パトリシア・アークエット), 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
Laura Dern, 『Wild(邦題:未定)』
Keira Knightley(キーラ・ナイトレイ), 『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
Emma Stone(エマ・ストーン), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Meryl Streep(メリル・ストリープ), 『Into the Woods(邦題:インテゥ・ザ・ウッズ)』
★Best Supporting Actor (助演男優賞)
Robert Duvall(ロバート・デュヴァル), 『The Judge(邦題:ジャッジ 裁かれる判事)』
Ethan Hawke(イーサン・ホーク), 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
Edward Norton(エドワード・ノートン), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Mark Ruffalo(マーク・ラファロ), 『Foxcatcher(邦題:フォックスキャッチャー)』
WINNER: J.K. Simmons(J.K.シモンズ), 『Whiplash(邦題:セッション)』★Best Adapted Screenplay (脚色賞)Paul Thomas Anderson(ポール・トーマス・アンダーソン), 『Inherent Vice(邦題:未定)』
Damien Chazelle(ダミエン・シャゼル), 『Whiplash(邦題:セッション)』
Jason Hall(ジェイソン・ホール), 『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
Anthony McCarten(アンソニー・マッカ―テン), 『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』
WINNER: Graham Moore(グラハム・ムーア), 『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
★Best Original Screenplay(脚本賞)
Wes Anderson(ウェス・アンダーソン)『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
Dan Futterman and E. Max Frye(ダン・フッターマン、E.マックス・フライ), 『Foxcatcher(邦題:フォックスキャッチャー)』
Dan Gilroy(ダン・ギルロイ), 『Nightcrawler(邦題:未定)』
WINNER: Alejandro Gonzalez Inarritu(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥー), Nicholas Giacobone(ニコラス・ジャコボーン), Alexander Dinelaris(アレクサンダー・ディネラリス)and Armando Bo(アルマンド・ボー), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』
Richard Linklater(リチャード・リンクレイタ―), 『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
★Best Film Editing(編集賞)
『American Sniper(邦題:アメリカン・スナイパー)』
『Boyhood(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)』
『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
『TheImitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』
WINNER: 『Whiplash(邦題:セッション)』
★Best Cinematography(撮影賞)
Roger Deakins(ロジャー・ディーキンス), 『Unbroken(邦題:未定)』
WINNER: Emmanuel Lubezki(エマニュエル・ルベツキ), 『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』Roger Deakins(ロジャー・ディーキンス), 『Unbroken(邦題:未定)』
Dick Pope(ディック・ポープ), 『Mr. Turner(邦題:ターナー、光に愛を求めて)』
Robert Yeoman(ロバート・D・イェーマン), 『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』
Lukasz Zal and Ryszard Lenczewski, 『Ida(邦題:未定)』
★Best Visual Effects(視覚効果賞)
『Captain America: The Winter Soldier (邦題:キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー)』
『Dawn of the Planet of the Apes(邦題:猿の惑星:新世紀)』
『Guardians of the Galaxy(邦題:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)』
WINNER: 『Interstellar(邦題:インターステラー)』
『X-Men: Days of Future Past(邦題:X-MEN:フューチャー&パスト)』
『Dawn of the Planet of the Apes(邦題:猿の惑星:新世紀)』
『Guardians of the Galaxy(邦題:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)』
WINNER: 『Interstellar(邦題:インターステラー)』
『X-Men: Days of Future Past(邦題:X-MEN:フューチャー&パスト)』
Best Original Song(歌曲賞)は『Selma(邦題:セルマ)』の主題歌で、“Glory”という作品。作詞・作曲・歌は全てJohn Legend(ジョン・レジェンド)とCommon(コモン)による。
Best Original Score (作曲賞)は作曲者Alexandre Desplat(アレクサンドル・デスプラ)が 『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』 と 『The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)』 の2作品でノミネートされ、前者で受賞を果たした。これまで5作品以上でノミネート歴のある、有名作曲家である。
Best Costume Design(衣装デザイン賞), Best Makeup and Hairstyling(メイクアップ&ヘアスタイリング賞), Best Production Design(美術賞)の3部門で見事全てに選ばれたのは『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』。
Best Animated Feature(長編アニメ映画賞)は日本でも大ヒットとなった 『Big Hero 6(邦題:ベイマックス)』 が受賞し、高畑 勲監督の『かぐや姫の物語(洋題:The Tale of The Princess Kaguya)』は受賞ならず。
**以上**
個人的には作品賞と監督賞以外は概ね、いや、とても納得だ。
主演男優賞と主演女優賞は特に誰が選ばれてもおかしくないほどの接戦だったと思うが、その中で、順当な受賞だったと言える。
『The Theory of Everything(邦題:博士と彼女のセオリー)』で非常に難しい役で素晴らしい演技を披露したEddie Redmayne(エディ・レッドメイン)の受賞は本当に嬉しい。欲を言えば、共演したFelicity Jones(フェリシティ―・ジョーンズ)とのダブル受賞を見たかったが、アルツハイマー系の役どころを演じたJulianne Moore(ジュリアン・ムーア)の方が受賞可能性は元々高かったように思う。
助演女優賞と助演男優賞は、ほぼゴールデン・グローブ賞の時と同じ顔ぶれとなったが、受賞者はPatricia Arquette(パトリシア・アークエット)とJ.K. Simmons(J.K.シモンズ)で全く同じ結果となった。
受賞式における個人的なハイライトは
1.助演女優賞に選ばれたPatricia Arquette(パトリシア・アークエット)の力強いスピーチ
2.脚色賞に選ばれたGraham Moore(グラハム・ムーア)のスピーチ
3.ハリウッドでは比較的新星のEddie Redmayne(エディ・レッドメイン)の主演男優賞の受賞
4.『Interstellar(邦題:インターステラー)』 の視覚効果賞の受賞
5.『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』の撮影賞の受賞
6.往年のハリウッドスター、Julie AndrewsがパフォーマンスステージでLady Gaga(レディ・ガガ)に登場したシーン。素敵に歳をとっていたことに感動
7.『Birdman(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))』、作品賞と監督賞の主要2部門でのダブル受賞
8.『The Grand Budapest Hotel(邦題:グランド・ブダペスト・ホテル)』の4部門での受賞
アカデミー会員の選ぶ作品や俳優たちなど、バイアスがかっているとはいえ、やっぱり1年に1度のこのアカデミー賞受賞式はドキドキしながら、観てしまうものだ。
2014-2015年も素晴らしい作品が世に出たが、2016年もきっとたくさんの作品と出会えることだろう。
今年のアカデミー賞でノミネートされた作品は既にほとんど見たが、まだ観ていない作品では『Ida(邦題:未定)』が気になっている。ポーランドのフィルムであり、ポーランドの映画としては初めて撮影賞と外国語映画賞にノミネートされた作品である。受賞はならなかったが、是非観てみたい作品だ。
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