Wednesday, August 14, 2013

The Descendants (邦題:ファミリー・ツリー)


The Descendants(邦題:ファミリー・ツリー)』は、ハワイ出身の作家Kaui Hart Hemmings(カウイ・ハート・ヘミングス)が2007年に発表したベストセラー小説が原作となっている映画である。『Sideways(邦題:サイドウェイ)』のAlexander Payne(アレクサンダー・ペイン)が共同脚本と監督を手がけ、国内外において高い評価を受け、興行でもかなりの成功を収めた作品だ。2011年のアカデミー賞でも5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。


本フィルムはコメディ・タッチのファミリー・ドラマで、ハワイのオアフ島やカウアイ島が舞台となっている。

ハワイに何代も続く家系で、ハワイの土地を先祖から受け継ぎ管理する中年の男、George Clooney(ジョージ・クルーニー)演じるMatt King(マット・キング)は、不動産売却の準備を進める中、妻がボート事故で入院し、昏睡状態となってしまう。

これをきっかけに、これまで仕事人間で家庭を見返りせず、妻や子との間に距離があったマットは、2人の娘の面倒を看ることを余儀なくされる。

Shailene Diann Woodley(シェイリーン・ウッドリー)演じる17歳の長女Alex(アレキサンドラ)はドラッグのリハビリで家族とは離れた寄宿舎におり、Amara Miller(アマラ・ミラー)演じる10才の次女Scottie スコッティ)はまさに反抗期。マットは長女を家に呼び戻し、妻が蘇生したらもう一度家族として出直そうと決意するのだが、医師から妻が回復する可能性はゼロだということを伝えられ、更に妻が不倫をしていたことが発覚する

大きな衝撃を受けたマットは2人の娘と長女のボーイフレンドを連れ、オアフ島からカウアイ島へと、妻の不倫相手のもとに話をつけに行く。


この説明だけだと、単なる普通の話っぽく聞こえるが、彼と娘たちとの絆や信頼関係を築いていく過程が「家族っていいなぁ」、「家族ってこういうものだよなぁ」と思わせてくれる作品だ。妻の両親、妻の友だち夫婦、妻の不倫相手の家族、マットの旧友たちも登場し、物語を彩る。


主演であるGeorge Clooney(ジョージ・クルーニー)は、2009年の『Up in the Air(邦題:マイレージ、マイライフ)』の時と同様、仕事は出来るが女に振り回される“ちょっと情けないが憎めない”男という彼得意の微笑ましい役柄を、少し哀愁も交えながら演じている。

ストーリーは重い一方で、コメディ調だからこそ、さらに面白い作品だ。しかも、コメディ調にしてもストーリーが損なわれないから、見事だ。

それに加え、ハワイのオアフ島とカウアイ島の素晴らしい風景、さまざまなアーティストによるハワイ音楽ですべて占められ音楽が、映画をより一層素晴らしい作品に仕上げている。


映画のタイトルで邦題に納得できないことが多々あるが、今回は“The Descendants(和訳:子孫)”という原題よりも、邦題の“ファミリー・ツリー(Family Tree)”の方が確かにわかりやすいし合っているように思う。
(何故なら、映画はタイトル(原題)とのギャップがあるように思えるからだ。最後にタイトルに無理矢理リンクをさせている感が否めないのである。)

苦くて甘いストーリーの映画、ファミリー・ドラマ、旅行番組ではないハワイ、ハワイ音楽、これらが詰まった映画を観たい方におすすめのフィルム。予想以上に良い!と思う人も多いのではないだろうか。



最後に、Alexandra "Alex" King 役のShailene Diann Woodley(シェイリーン・ウッドリー)について。現在TV ドラマシリーズ『The Secret Life of the American Teenager(邦題:アメリカン・ティーンエイジャー 〜エイミーの秘密〜)』に主演している21歳の女優。顔もスタイルも絶品で、今後フィルムでも彼女を見る機会が多そうだ。アメリカで8月2日公開したばかりの『The Spectacular Now(邦題未定、日本未公開)』でも主役のヒロインを務めている。個人的には、次世代一押しの女優さんだ。もう一歩あか抜けて、もう少しオーラが出るようになってきたら、同世代のJennifer Lawrence(ジェニファー・ローレンス)と切磋琢磨して、将来はNatalie Portman(ナタリー・ポートマン)みたいになって欲しい。



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